
泣かぬ鼠が身を焦がす
第30章 歩く足には
純目線
俺の戸籍を母さんたちから独立させるための裁判(正確には調停?)はそのあと少ししたら問題なく成立したって拓真さんから聞いた
つまり俺は拓真さんの籍に入ったってこと?
よくわからないけど、俺はもう母さんたちから手を出される心配はなくなったみたい
そして今日
俺は久しぶりに拓真さんの会社に行く
俺がどうなってたかとかってことは伊藤さんしか詳しくはわかっていないらしい
けど久しぶりすぎて緊張する
俺としては拓真さんの家にいても良かったんだけど
「明日からまた会社に出社するから、純も朝同じ時間に起きてくれ」
と言われたら
「……うん」
としか言えないよね
運転手さんが乗り付けてくれた車に朝乗り込んで、懐かしいビルが立ち並ぶオフィス街へ
暫く走ると見覚えのあるビルの下で車が止まった
運転手さんがドアを開けてくれて車から降りると、こっちに寄ってくる影が1つ
「おはようございます、社長」
近寄って来たのは伊藤さんで、伊藤さんは拓真さんに向かって頭を下げた
「あぁ」と拓真さんが返事をすると、伊藤さんは今度は俺の方に視線を向ける
「お久しぶりです。ノラ様」
「!」
俺の戸籍を母さんたちから独立させるための裁判(正確には調停?)はそのあと少ししたら問題なく成立したって拓真さんから聞いた
つまり俺は拓真さんの籍に入ったってこと?
よくわからないけど、俺はもう母さんたちから手を出される心配はなくなったみたい
そして今日
俺は久しぶりに拓真さんの会社に行く
俺がどうなってたかとかってことは伊藤さんしか詳しくはわかっていないらしい
けど久しぶりすぎて緊張する
俺としては拓真さんの家にいても良かったんだけど
「明日からまた会社に出社するから、純も朝同じ時間に起きてくれ」
と言われたら
「……うん」
としか言えないよね
運転手さんが乗り付けてくれた車に朝乗り込んで、懐かしいビルが立ち並ぶオフィス街へ
暫く走ると見覚えのあるビルの下で車が止まった
運転手さんがドアを開けてくれて車から降りると、こっちに寄ってくる影が1つ
「おはようございます、社長」
近寄って来たのは伊藤さんで、伊藤さんは拓真さんに向かって頭を下げた
「あぁ」と拓真さんが返事をすると、伊藤さんは今度は俺の方に視線を向ける
「お久しぶりです。ノラ様」
「!」
