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泣かぬ鼠が身を焦がす

第31章 秋風


「拓真さんおかえり」
「ただいま。もう風呂に入っていたのか」
「あー……うん、そうなんだ」


俺がほっかほかにあったかい状態で「ごはんー」とテーブルに近づくと、拓真さんが後ろから抱きしめてきた


「!」
「温かいし……いい匂いがするな」


拓真さんが俺の項に唇を寄せながら呟く


ちょ、ちょっと
普段こんなことしない癖に急にどうしたの!?


そして俺を抱き締めている拓真さんは、手をお腹に回してきた


わ、ダメだって!!


そのことにギョッとした俺は拓真さんを突き飛ばす


「!」


拓真さんが驚いた顔をしている


あ……と……
やばい


「せ、せっかく風呂入ったのに拓真さんがくっついてたら意味ないじゃん!」


ってのは、やばいかな
ちょっと言い訳くさすぎた?


どきどきしていると、拓真さんは「確かにそうだな」と頷いてくれる


「悪かった」
「……っ」


完璧に俺が悪いけど、ごめん拓真さん今は何も言えない……!!!


「じゃか夕食にするか」
「うん」


そして、拓真さんはその後特に俺を責めるでもなく夕食を食べた

けど気になるのは拓真さんの反応もなんだけど、夕食もカロリーが気になる

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