
泣かぬ鼠が身を焦がす
第31章 秋風
そうして、特にちゃんと食事の味を味わえないまま晩御飯も終了した
全然ご飯の味しなかった……
世の中の女性ってのはどうなってるんた
それに考えてみれば、俺が好きな食べ物ってカロリーの高いものばっかりだったんだなー
反省反省……
拓真さんがお風呂に入っている間、俺はまたベッドに横になりながら昼間ネットで見たトレーニングをやる
「うぎぃ……っ!? やば、筋肉痛がもうきてる……!!!」
俺の身体若い
ってそんな場合じゃない
いつぶりかわからないぐらいに久しぶりな腹筋の痛みはやる気が落ちるけど、ふっくらした自分の腹を見てやる気を出した
頑張れ俺
今までの身体に戻すんだ!!
うぉぉぉ!!!!!!
そして少しすると、拓真さんがお風呂から上がってくる音が聞こえてきてバレないようにトレーニングを止める
「? もう寝るのか? 早いな」
脱衣所から戻ってきた拓真さんはベッドにいる俺を見てそう言った
確かに、普段からしたら寝るにはちょっと早い時間
「ん、んー……久しぶりに帰ってきてちょっと緊張してたのかも、いつもより眠いんだよね」
「そうか」
俺の言い訳に納得してくれた拓真さんが俺の方へと歩いてくる
