
泣かぬ鼠が身を焦がす
第31章 秋風
そして当然のようにベッドに寝転ぶ俺の横に入ってきた
「なら、俺も寝る」
それはまぁいつものことだからいいんだけど
「たたた、た、拓真さん?」
「何だ?」
何でか今日は拓真さんが俺を後ろから抱き締めてきた
いつもは前からなのに……!!!
前からなら問題ないのに……!!!!
「なんで今日はそっちからなの?」
「さっき拒まれたからな」
そんな理由で!?
拓真さんはちょっと拗ねたみたいな感じで俺の項に顔を埋めてそこにキスをしてくる
「ちょっ……擽ったい……」
「ん……暴れるな……」
暴れるな、って
無茶言うな
「ん、ぁ……拓真さ、ん……っ」
もしかしたらこのままセックスに雪崩れ込むかも!?
と俺が心の中で危機感を抱いていると、帰ってきた時よりも強く拓真さんが俺の腹をぎゅう、と抱き締めた
すると
「!! 痛っ……!?」
俺の腹筋が悲鳴をあげる
「純!?」
「あ……ごめん……痛た……」
お、俺の筋肉痛が……!
拓真さんは心配そうに俺の顔を覗き込んでいる
「ちょっと見せてみろ」
そして痛がっているお腹を見ようと服を捲り上げようとした
