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泣かぬ鼠が身を焦がす

第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)

静目線


あのことがあってから……
私が三村様を投げ飛ばしてから、数週間が経過しました

もちろん進めていたプロジェクトは非常に順調で
特に問題もございません

がしかし、1つだけ個人的に大きな問題がございます

それは


「……」


打ち合わせで三村様の会社を訪れる度、三村様から異常なまでの視線を感じることです


今日もまた、見ていらっしゃいますね
やはりこれだけ時間が経っても、プライドを傷つけられたことを許せないのでしょうか

困りました

今から謝罪をするというのも、そもそも私が悪いわけではないのでおかしいですし

いえ、この場合は私から謝罪した方が丸く収まるのでしょうか

一体どうしたら……


幸運なのは、三村様に社会人としての常識は備わっていたために仕事への影響が一切ないことです


しかし、今後もまだ続くプロジェクトですし
会社自体とはプロジェクトの他にも色々とお世話になっておりますし

困りました


「では、本日の会議はこれで終了とさせて頂きます」


私が悩んでいると、会議の司会進行を務めて下さっていた方の声が響きました

我が社の社長を含む数名の社員が頭を下げて立ち上がります

私もそれに合わせて立ち上がり、会議室を後にしました

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