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泣かぬ鼠が身を焦がす

第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)


そうですよね
人として、他人が悪く言われているのを庇うことは決して不自然なことではありませんよね


私は自分を落ち着けるために深く呼吸をして、その後は社員の会話に簡単な相槌を打つだけに留めました


その数日後です

その日は三村様と社長がプロジェクトの打ち合わせを2人でなさるということで、私も同行させて頂きました


「……」


当然私の業務には関係のない打ち合わせですので、私は日程調整が必要でない限りは黙って座っているだけ

ですがその日も


……また、見ていらっしゃいますね……


三村様からは事あるごとに視線を感じました

社長と話されている時にはもちろん社長を見ていらっしゃるんですが、社長が私に質問をされた際などに必要以上の視線を感じるんです


私が意識しすぎなだけなのでしょうか


しかしその日の打ち合わせも、三村様からの視線を感じたからといって何の影響もございませんでした


「では、本日はこれで失礼します」
「下までお送りします」


打ち合わせ、終わりですね
良かった


お2人が席を立たれて、私も一緒に席を立ちます

そして廊下に出ると


「杉田社長、お久しぶりです」


と社長が他の社員に声を掛けられました

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