
泣かぬ鼠が身を焦がす
第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)
まさか前回と同じような展開に、なんてそんな単純な考えをされているわけではありませんよね
それならこちらも、いつでも応戦出来るよう準備しておかなくては
私は三村様がどういう行動に出ても以前あったような失態をしなくて済むよう、三村様への警戒を強めました
そして連れていかれたのは、本当に公園の端の端に位置するベンチでした
通常は公園の中を見る用に設置されているベンチですが、ここにあるのは公園の外側を向くように設置されています
ここは、こんなに高台だったんですね
それもそのはず
ベンチの数メートル先にある手すりの先はすぐに小さな崖になっていて、目下に広がる夜景を楽しむ事が出来るからです
随分とロマンチックな場所ですね
ですが以前の場所よりもよっぽど人の気配がないですし、公園の前の道からここは見えませんから気をつけないと
私がまた1つ警戒するレベルを上げていると、三村様は私の方を振り返りベンチを指しながら
「ここに、座ってください」
と言いました
「……失礼します」
私が大人しく座ると、三村様は何故か隣には座らず
「飲み物、買ってきますね。何がいいですか?」
と言いだしました
