
泣かぬ鼠が身を焦がす
第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)
何を言っているんでしょう?
そんなことより、話したいことがあるのではないのでしょうか
「いえ、結構です」
私がそう伝えると、三村様は黙り込んで俯いてしまいました
何故こんなに三村様は先程からソワソワとされているのでしょうか
私がそのようなことを考えていると、私の心の中の疑問に答えるように三村様が口を開きました
「あの、前は本当にすみませんでした」
「……」
まさか、こんな謝罪のために呼び出したわけじゃないですよね
それにそんな謝罪だけで全てを許せるほど、私の心は広くありません
その意思表示のため、私はあえて黙ったまま睨みつけるように冷たい視線を送ります
すると
「……っ」
三村様の様子がおかしいことに気がつきました
暗いのでわかりにくいですが、少し顔が赤らんでいるような
と考えた次の瞬間、三村様が突然地面に伏せられました
「!?」
所謂土下座という体勢になった三村様はその体勢のまま、大きな声で
「許して貰えないのはわかってます!! だから……だから、あの……」
と言われ、こう続けられました
「俺のこと、気がすむまで踏んで貰えませんか!!!」
