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泣かぬ鼠が身を焦がす

第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)


「こちらに背を預けて……そうです。膝は立てないで下さい」


細かく指示を受けてその通り従うと、伊藤さんは俺の膝の上に座るように浴槽に入った


「!!」


なんだ、これは


目の前には伊藤さんの綺麗な頸
身体の前側全てに、伊藤さんの背中や脚の柔らかい感触

俺の興奮はどれほど底がないのかって自分でも思うけど、この状況で興奮しない方がおかしい


「……っ」


けど、お風呂に入りたいって言ってたし
邪魔しちゃいけない


俺が必死で我慢していると、伊藤さんがわざと俺の股間に自分の腰を擦り付けてくる


「!?!?」


予想外のその行為に俺のそこはまた力を取り戻して勃ち上がってしまった

すると伊藤さんが後ろ手に俺をぎゅう、と掴む


「い、痛っ……!?」
「私の椅子に、と思って先に入って頂いたのですが、この椅子は随分と座りにくい突起がありますね」


椅子
その響きに何故かきゅん、と心臓が締まった

必要とされてると思えるからかもしれない


「すみません……!!」


俺が謝罪の言葉を述べると、伊藤さんが振り向いて言った


「さて、これをどうして差し上げましょうか」


その時の、最高に俺を見下した目
嘲笑うように上がった口角

全てが俺の理想で


「好きに……して下さい……っ」


俺は改めて、一生この人の奴隷でいいと思った

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