
泣かぬ鼠が身を焦がす
第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)
切ない顔
あぁ、本当に可愛らしい
そうは思いつつも、私は視線を無視して会議に意識を戻しました
そして会議が終わると、少し会議室をお借りして社長と次の会議の打ち合わせをします
その間は弊社の社員は既に帰社し、アールワイシーさんの社員さんが数名いらっしゃいました
その中に三村の姿はありません
あのままどこかへ行ってしまわれたのでしょうか
まぁ、仕事があるなら仕方ないですが
打ち合わせを終え会社の下まで降り、社長にまたそのまま直帰してもいいと言われました
「お気遣いありがとうございます。ではこれで失礼致します」
社長を送り出し、一緒に見送りに来て下さった社員の方にも御礼を申し上げ会社を出ます
すると、鞄の中に入れていた携帯が震えました
中身を確認するため開いてみると、メールを1通受信しています
『お仕事が終わられたら、会って頂けませんか?』
私は立ち止まり、手早く返信をしました
『私の仕事は終わりました。自宅で待っています』
それだけを打って私は一足先に家に帰ります
自宅に着いてからは普段通りお茶を飲んだり読書をしたりして時間を潰しました
