
泣かぬ鼠が身を焦がす
第34章 旅は道連れ
いちいちそんな風に考える自分が本当に嫌になる
折角拓真さんが旅行に連れてきてくれたのに
俺ってほんと、ダメな奴
「夕陽が沈むのは本当に早いな。もう薄暗くなってきた」
「……ほんとだね」
拓真さんから顔が見えないのは幸運
今顔見られてたら確実に何かあったのかって聞かれちゃう
段々と沈んで行く夕陽を見ながらぼーっとしてると、拓真さんが俺を抱き締めている腕を緩めた
「?」
そろそろ上がるのかな、と思ってたら
「わっ……!? ちょ、拓真さん……っ!!」
拓真さんの手が俺の乳首を指で擦ってきた
や、ばいって
不意打ちにそんなことされたら
すぐ勃っちゃう、って……!!!
拓真さんは俺の抵抗なんてものともせず余った手で今度は太腿を撫でてくる
内側の柔らかいところをさすられると、自然と口から息が漏れた
「ふっ……ん、んー……」
弱々しくなっていく自分の声が部屋のとはいえ露天風呂で響いてるなんて、変な緊張感があってやばい
一種の青姦……!!
「たくまさ、だめ……っ、他の人に聞こえちゃう……って、ば……」
「純が抑えればいいだろう」
そんな無茶な!!!
