
泣かぬ鼠が身を焦がす
第34章 旅は道連れ
拓真さんも俺と同じぐらいに食事を終えて、食事を片付けて貰った後テレビを点けた
テレビぐらい別に普通なんだけど、拓真さんが見てるとなんかすごい変
だって俺がお願いするまでテレビを部屋に置いてなかったし、普段も拓真さんがテレビのスイッチを入れてるところなんて見たことない
俺が見てるのを一緒に眺めてるぐらい
それなのに急にどうしたんだろう
すんごい見たい番組でもあったのかな
と思ったけど、拓真さんは特にチャンネルを固定するでもなくカチカチと変えている
少ししてから1つの番組に決めたみたいだけど、拓真さんが見たくてテレビ点けたって言えるようなものには見えない
おかしい
と不安になりながら俺は、一緒に同じ番組を見た
少しするとあんだけ寝てたのに眠気が襲ってきて、うつらうつらし始めた俺に拓真さんが声を掛けてくれる
「そんなところで寝るなよ。眠いならもう寝るか?」
「……ん……ごめん、先に寝るね」
俺が四つん這いになりながら引き戸が開けっ放しになっていた寝室に向かう
するとそれを見た拓真さんがテレビを消して
「なんて動き方してるんだ」
って俺の方に来て笑いながら俺を立たせた
