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泣かぬ鼠が身を焦がす

第34章 旅は道連れ


「……どんな夢だったんだ?」


ふと、拓真さんが聞いて来た


急に起きなきゃいけないぐらい俺が魘されてたらそりゃ気になるよね

でも、あんな夢見てたなんてそうそう言えないよ


「もう忘れちゃった」


俺は結局そう嘘を吐いた


「そうか」


拓真さんは納得してるのかしてないのかわからないけどそう返事をして、俺の額と目元を拭ってくれる


「まだ朝までは時間があるし、もう1度寝ろ。次はいい夢が見られるといいな」


そして、また俺を優しく抱きしめてくれる


「うん……拓真さんを叩き起こすような夢は見ないといいな」


という言葉には返事は返ってこなくて


「……」


拓真さんも寝たんだろうし俺も寝よう、と目を閉じた

もちろんあんな夢はもう見なくて、気がついたら朝になっていた


朝ゆっくり起きて、いつも通り拓真さんとゴロゴロダラけた後部屋に運ばれて来た朝食を食べる


「あ、これ美味しいよ、拓真さん」
「どれだ?」
「それ」
「……ん、美味いな」


ご飯を食べ終わったら歯磨きして着替えて、部屋を出た


「今日はどこ行くか決まってるの?」
「あぁ。まだ教えないが」
「ふぅん?」


なんかそんなこと多いな?

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