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泣かぬ鼠が身を焦がす

第36章 一生添うとは


拓真さんの手を煩わせなくても大丈夫
まだそこまでじゃない


そう思ってたんだけど、俺の身体は想像以上に睡魔の誘惑に弱くて


「んむ……」


立ち上がろうとして力を入れた身体からは力が抜け、あっけなく拓真さんの腕の中に戻されてしまった

意識が朦朧とする中、拓真さんが俺の耳元で「ふ」と笑い声を漏らしたのが聞こえる

そして


「無理しないでいいから、寝ておけ」


という拓真さんの言葉と、首筋にたくさんキスをされた感覚を最後に俺の意識は途絶えた



目の前が青白い光に包まれて目を覚ます


なにこれ、眩しー……

それになんか、寝心地悪いぞ

枕が柔らかくない
固い


「……ん……」


身じろぎしてみると、頭の上にぽん、と温かいものが乗せられる


なに、これ


目を開けようとすると、目が開く直前にパタン、という音がして青白い光がなくなった

眩しかったものが取り払われて、簡単に目が開けられる


「起きたか?」


目を開けて見て、全部わかった


眩しかったのはパソコン
固いと思っていた枕は拓真さんの太もも
頭の上に乗ったのは拓真さんの手

つまりは、俺はパソコンを弄ってる拓真さんに膝枕をされながら頭を撫でられてたってこと

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