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泣かぬ鼠が身を焦がす

第36章 一生添うとは


「!!」


びっくりして起き上がろうとした俺の頭は拓真さんの手に抑えられてまた膝の上に戻されてしまう


「急に起きるな。危ないだろう」



なに!? なに!?
俺何してんの!?

つーか、え
膝枕!!!

固いとか言ってごめん!!!


心の中で謝罪をしつつ目線を拓真さんの方に向けると、電気の光を後ろに背負った拓真さんが笑う


「おはよう。今日は色んなところに連れ回したから疲れたよな。どこか痛いところはないか?」


後光のさした神のようだ


俺は手を合わせそうになるのを抑えて「……大丈夫」と返事をする

そして、チラッと座卓の上に置いてあったパソコンを見た


また仕事、してたのかな


そんなことを考えていると、拓真さんが俺の視線に気がついて笑って


「仕事をしていたんじゃないからな」


と俺の考えを読んだような発言をした


「!」


なんでわかるんだよ
俺が気にしてるって


「…………じゃー、何してたの」


悟られてるならいっそ聞き出してやる、と開き直って俺がそう聞くと、拓真さんは俺の両脇に手を入れてずるずると上に持ち上げた

俺はそのまま拓真さんが胡座をかいていた中に座らされる

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