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泣かぬ鼠が身を焦がす

第36章 一生添うとは


すごい贅沢

のようだけど、2人でいられるなら贅沢しなくても布団1枚分あれば足りるんだなーとも思う

変な気持ち


「旅行も明日で終わりかー長いようで、短かったなー」


俺が拓真さんの腕の中でそう呟くと、拓真さんは俺の頭を撫でながら


「そうだな。でも、まだ1日ある」


と言う


ん?
その言い方するってことは


「明日の行き先ももう決まってるってこと?」
「あぁ」
「ふーん?」


どうせ行き先は教えて貰えないだろうから敢えて聞かず、俺は拓真さんの浴衣の合わせ目から見える鎖骨のあたりを眺める


「どうした?」
「んー……ごめん拓真さん。結構跡つけちゃった」


指で拓真さんの浴衣をちょっとだけ捲りながらそう言うと、拓真さんが小さく笑う


「あぁ……さっき確認したが、別に服で隠れないところにはないからな。誰かに裸を見せる予定はないし、構わない」


すると今度は拓真さんに俺の浴衣を指で軽く捲られる


「それに、俺もつけたからな。お互い様だ」
「あー……やっぱりついてるんだ」
「悪い」
「いいよ。それこそ俺は拓真さん以外とそうそう話す機会もないんだから」


俺の引きこもり発言に拓真さんが「そうだな」と笑った

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