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泣かぬ鼠が身を焦がす

第36章 一生添うとは


こういう俺が勝手に気にしてたこともちゃんと口に出して言わなきゃ、って決意のもと拓真さんの様子を伺いながらそう言ってみると、拓真さんにすごい怪訝な顔をされた


え……


「俺は運転は嫌いじゃないし、旅行中仕事なんて一切していないぞ」


そして次に拓真さんに言われたのはこんなことで、俺も拓真さんと同じような表情にさせられる


「だ、だって……! 拓真さんたまに肩回したりしてたし、パソコン開いたりしてたじゃん!」


俺に隠れてたからおっけーとかそう言うんじゃないんだよ!?


すると、拓真さんが明らかに思い返すような顔までし始めたから


「俺がお風呂場で倒れて寝てた時と拓真さんが俺のこと膝枕してた時!」


と教えてあげた


あれ、俺が両方寝てる時だ


口に出してみると情けない共通点が見えてしまったけど、今はそれどころじゃない

すると拓真さんは思い出したように


「あぁ、あれか」


と言った

けどその言い方がパソコンのことなんて何でもないことみたい

すると、想像もしてなかった真実が告げられた


「1度目は、逆上せて倒れた純に何をしてやったらいいのかわからなくて調べていたんだ」
「!?」

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