
泣かぬ鼠が身を焦がす
第36章 一生添うとは
な、なんだそれ
「突然倒れられて驚いたというのもあって、逆上せた以外の理由もないかというのも調べていたな」
俺が寝てたからだった……!!!
いや正確には俺が倒れたから……
どっちにしても俺のせい
それを疑うとかどれだけ……うわぁ……
「……に、2回目の方は?」
「それは……」
拓真さんが言いづらそうに1度咳払いをする
そして観念したように
「……今日行った教会があっただろう。そこの場所を……調べていたんだ」
と小さめの声で言った
ってことは……どっちも俺のため……?
ば、ばかだ
「ご、ごめんなさい」
俺が謝ると、拓真さんは表情を変えて笑った
「いや、俺の方こそ悪かった。いつも仕事漬けだから不要な誤解を招くんだな。気をつける」
そして拓真さんは俺の頭の上にぽん、と手を一瞬だけ置いた
そっか
だから俺が目を覚ましてからはパソコンを弄らなかったのか
俺に画面を見せてくれなかったことも、それなら理解できる
なんだ
全部俺の誤解だったのか
やっぱり言って良かった
余計な心配する前にちゃんと聞くべきだった
「ありがとう、拓真さん」
