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泣かぬ鼠が身を焦がす

第7章 馴染めば思う


「んひぃっ!?」
「……っくく……」


ちょっと!?
押し殺した笑い聞こえてるんだけど!?


「何すんだよ!?」
「いや、ノラの反応が面白くてな。悪い」


悪いで済んだら警察いらねー!!


本気で睨みつけると、杉田さんは笑いながら俺の目を手で覆った


「そんな目で見るなって」
「誰が悪ーー……ん!?」


笑いながら戯れてくる杉田さんに、俺の反発心は増すばかりで

誰が悪くてそんな目で見とるんじゃボケ!と文句を言おうとすると
何故か俺の口は柔らかいものに塞がれていた


な、ななななななな!?


思わずザパッと大きな水音を立てて立ち上がる

そしたら、余裕な顔をした杉田さんがにやりと笑っていた


キス、した
ほ、本当にこの人どうしたの……?


「も、もーからかうなら俺先上がるから!!!!」
「おい、ノ……」


杉田さんが俺の名前を呼び終わる前に俺は浴室を飛び出した


ぬぉぉぉぉぉぉお!!!!!


恥ずかしさとか苛立ちとかいろんな感情がごちゃまぜになっている中で、風のような速さで身体を拭いて服を着た俺はとっとと部屋に戻る


「ふぅ……」


つ、疲れた
今日1日が妙に長い

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