短編集
第1章 金持ち×平凡
「おはよう、キョーヤ。」
「ふぇっ.....?」
目を覚ますと目の前にはあの頃と変わらない綺麗な金色の髪の毛と整った顔。
「うわぁ!?」
「やっと起きた。」
そう言うとくすくすと笑いながらアルバート、アルは俺の体を引き起こした。
「また勝手に俺の部屋に入って。」
「ごめんキョーヤ。でもキョーヤも僕の部屋によく入るでしょ?」
そりゃ、家となりだし入ったことあるけど無断ではいったことねーし。
「もう起きたからどいて。」
「冷たいなー。」
昔から変わらない穏やかな笑顔。
俺を呼ぶ優しい声。
目を離すことのできない綺麗な容姿。
そして何より俺を大切に扱うその優しさ。
俺はどうしようもなくアルが好きなのだ。