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短編集

第1章 金持ち×平凡

それは幼馴染の情なんかじゃない。






恋愛感情で俺はこいつが好きなのだ。









「学校遅れる。急いでキョーヤ。」


「アルうるさい。」



お母さんのように俺を急かすアルを軽くあしらいながら制服に袖を通す。






アルがきているのは俺とお揃いの高校の制服。



長身のアルにはその制服はとてもにあっている。




「昔はアルアルうるさかったのに。」



「昔は昔、今は今。」




冷たい俺の態度が気に入らないのか俺のベッドに寝転がって愚痴をこぼしゴロゴロと転がる目の前の男。





本当こーいうとこかわんねーな。




ベッドから引きずり落としシーツを直すとフワリと香るアルの残り香が俺の鼻を刺激する。



俺はそれをごまかすように顔を背けた。








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