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短編集

第3章 王子 × 奴隷

絶望を知ったようなその顔は痩せこけ、体も十分な栄養をとったと言えない位やせ細っている。





「こちらの子供を使用人として献上いたしたく。」



「ほう.....」





親父の顔つきが少し険しくなる。


そりゃそうだ、こんな惨状を見た親父が普通でいられるわけない。平等を掲げる国のトップなのだから。





「この子は?」



「はい、我が国で奴隷として使われておりました。」







奴隷?そりゃぁ、こんな姿になるわけだ。




「きっと、お役に立てると思いますが。」




そう言うと男たちは少年の頭を押さえつけ無理矢理土下座をさせた。




それに対して抵抗しない姿に俺は少しの苛立ちを覚えた。

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