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短編集

第3章 王子 × 奴隷

「王よ、発言を許していただいても?」



「リン、あぁ。」




親父の了解を得て少年を見下ろす。




「お前、名は何という?」




「..........」



何の反応も示さない少年に苛立ったのか男たちが髪を引っ張り顔を上げさせる。





「申し訳ありませんリン王子。こいつはこちらの国の言葉を理解できないのです。」



「あぁ、そうか。」





そして俺は勉強してあったフェルド王国の言葉でもう一度問いかけた。





自国の言葉に安心したのか少年はしばらく俺を見つめ首を横に振った。





「名はないのか。」


「.......。」



コクリとうなづくとそれにまた怒った男たちが少年の腕を強くつかむ。






「おい、やめろ。」


「し、失礼いたしました。」







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