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短編集

第3章 王子 × 奴隷

その影は少しの間ゆらゆらと動きもう一度アレイが名前を呼ぶと諦めたように顔を出した。
















さっきまでとは打って変わった白く滑らかな肌にサラサラとゆれる真っ黒な髪、そして細く伸びた手足がだいぶ大きい俺の寝巻きから出ていた。







「え、これがさっきのガキか?」



「ガキという言葉遣いはいかがかと。」



「......シャンスか?」



「ええ。汚れで分かりませんでしたが元々の顔は整っているようです。」








不安げに俺を見つめる目はさっきまでの絶望の目ではなく少し好奇心を含んだ子供の目。






「お前、年はいくつだ。」



再びシャンスの国の言葉で話しかけてやると安心したように肩を落とし





「14.......」






と、小さく呟いた。







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