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[現代版] 天使と悪魔

第9章 心と記憶の和

・藤ヶ谷side

わたの家を出た俺と北山は某サウナに来ていた。

しかし、2人っきりで来るなんてそうそう滅多にない

なんだか照れるな、ハハッ!



北「あれ誰もいない珍し」



なんとなくそんな事を考えながら。

脱衣室でふと隣にいる相棒の方へ眼を向けると。



北「でもラッキーじゃね、貸し切りみたいなもんだしよ」



んっ?あいつ、あんなところに痣なんてあったか。



北「なんでぇ藤ヶ谷?ひとの身体をジロジロと見て」

藤「えっ…ぁ‥いや」



胸元にポツンとある青い痣それは―



藤「ジーッ」

北「だからなに?」

藤「ぶつけたかなんかしたの?ここ」

北「はっ?」

藤「痣だよ痣」

北「ねぇよ、んなの」

藤「あるってここに」

北「どこ?」

藤「だから胸元にさ」

北「???」



どうして気づかねんだ?

こんなにハッキリと出てるのに。



北「変なやつ」



まるで何かの羽根みたいな形をしたのが。



北「んな、わけ分からないこと言ってないで行くぞ」

藤「ちょ、待てって北山!本当にあるんだってば」



グイッ!



北「うわっち」



と、浴室へ向かおうとしたこいつの腕を咄嗟に引っ張ってしまった俺は。

ドタッ―



北「なにをするんだ危ねぇだろ」



その勢いで北山の身体の上へ倒れ込んでしまい、瞬間



北「‥‥っ」

藤「ドキッ」



待て反応してるんじゃない



北「ぁ…‥」

藤「ドックン、ドックン」



こら、止まれ心臓!

見つめ合う瞳の中に、何かが見え隠れしているような



北「ばっ、バカ早くどけって」

藤「わっ、悪い」



妙な錯覚に囚われてしまう

が、今度は起きあがろうとした途端に。

ふらっ―

ヤバいと思った時には手が北山の胸の上へ乗っかってしまい。



北「くっ」



それも、あの痣がある部分に。



北「藤ヶ谷、重い」



カァーッ!

なんだこれ手に何かが伝わってくる。



北「いっ、いてぇし」



熱くてまるで火かなんかに燃やされているみたいな。



北「いっ、いい加減にしろ人のこと潰す気か」



ハッ!



藤「ごっ、ごめん北山だいじょうぶ?」

北「なわけねぇだろ」



手を伸ばし、こいつを起き上がらせると。

ギュッ!





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