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[現代版] 天使と悪魔

第9章 心と記憶の和

・藤ヶ谷side

目を覚ますと、床に敷いてある布団に俺は寝ていて。

目の前には、内がいた。



内「気がついたか」

藤「ここは?」

内「北山んちや」

藤「えっ」



北山?

そうだ!あいつ、あれからどうなったんだよ。

飛び起きた瞬間に叫ぶ。



藤「北山は!」

内「心配せんでもほらそこで寝とる、フッ」



内が指さしたベットの上で眠っている北山、その姿を見たとたん。

ギュッ!

思わず傍へ寄り抱きしめてしまう。



藤「無事だったんだ…良かった‥よっ…クッ」

内「しかし、やっぱりこいつは凄いやつやな」

藤「なに…が‥」

内「自分が、いったい何者なのか?まだ思い出してもせぇへんのに藤ヶ谷を助けたい一心で、一時的に覚醒しよった」

藤「どういうこと?」

内「声が聞こえたんや」



声?



内「頭の中で北山が、俺を呼ぶ声がな」



たまたま、その日は仕事が3時に終わり。

帰ろうとした矢先だったと内は言う。



内「焦ったで、あんな悲痛な声で呼ぶんやから」



おまえ…



内「それに、まだ試してなかったから使えるか分からへんかったし」



使えるって、まさか。



内「藤ヶ谷、気を失ってる間に何を見た?」

藤「‥‥っ」

内「もう分かってるんやろ自分のこと北山が、お前にとってどんな存在なのか」



ってことは、やっぱり。



内「お前は何もんや?」

藤「俺は」



意識をなくした俺は、夢を見た。



藤「ダーク族の長、藤ヶ谷太輔」

内「北山はお前のなに?」



輝くばかりの、陽の光りを浴びて佇む天使の姿を。



藤「おっ、俺の北山、俺の愛しい天使」



ギュッ!

ひろ、ひろ会えていたんだな俺達ちゃんと。



内「遅いで待ちくたびれてもうたわもっと早よう思い出せ、フッ」



内が駆けつけたとき北山は必死で俺に人工呼吸をしていたらしい。



内「無意識に気を吹き込んでいて、もうビックリしたのなんの」



ガラッ!





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