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[現代版] 天使と悪魔

第9章 心と記憶の和

・藤ヶ谷side

藤「こいつずっと眠り続けているのか?」

内「あの時と同じ、能力を消耗し疲れて寝ているだけや、そのうちに目を覚ますよって」



その証拠に目覚めた北山は



北「なぁ?なんで照史まで俺んちにいるんで」

藤「あぁ、それは」

北「おっかしいんだよな、藤ヶ谷とサウナへ行ったところまでは覚えてるんだけどよ」

藤「‥‥‥」



あいつらに襲われた事も。



内「別に無理して思い出さんともええんやないか?」

北「それもそうだな」

藤「えっ」



脱衣室で俺らが抱き合った事まで忘れてしまっていたんだから。



北「藤ヶ谷」

藤「なに?」

北「腹減った、ニッ」

藤「はっ?」

北「メシ食いてぇ」

藤「って何を?」

北「なんでもいいから美味いもん食いて作れ」

藤「俺が?」

北「腹減った腹減った腹が減ったあぁーっ」

藤「分かったから、何度も叫ぶな」

北「んだか?ニッ」

藤「あぁ、ハァ」

北「やったぁ早くしてな」

藤「うっ」



これじゃ前世の時と、ちっとも変わってないじゃん。

クールな俺は、どこへ行ったんだよ。



内「ぷっ、クククッ」



そんな俺達を見て、ひとり笑っている内。

チッ、覚えてろよ。

“頑張れ藤ヶ谷”

眼でそう言ってるのが分かる。

けれど―



北「んもぉー遅いってば、早く我慢ができない」



お前は、だだっ子か クスッ!

俺の心は幸せに満ちていた

また、あの頃のような日々が戻って来るのも近い。

そう思い。

北山さえ記憶を取り戻してくれたなら。

迫り来る恐怖を知らず―





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