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[現代版] 天使と悪魔

第10章 慟哭の記憶③

・横尾side

そっか、だから健永は屋良さん達と一緒にいたんだな

こいつが記憶を取り戻した経過は本人に聞いて知ってはいたが…

その内容まではまだ詳しく聞いてはいなかった為。

初め、内の部落までは裕太たちといた健永が。

どうして、屋良さんたちと合流することになったのか

その話しを聞いて、やっと事情を知ることが出来る。



千「でも俺、辿り着けたかは分からねんだ。そっから先は思い出せてないし」

横「それは後で知ることが出来るよ」

ニ「わったー」

横「最期まで思い出したらな」

屋「話し続けるぞ」



それから健永がニカの元へ向かったあと。

再び屋良さんは透視を始め



屋「そこに映った光景に、俺は言葉も出なかったよ」

玉「ミツがいたんだな?」

屋「あぁ」



全員がその言葉に口を紡ぐ

先に聞いた裕太の話を思い出し。



玉「お願いです教えて下さい」



沈黙の封を切ったのは裕太



屋「分かった、しかし俺は知っての通り藤ヶ谷の最期は知らない」

玉「それでも聞きたい」



周りも黙って頷く。



屋「俺が見たのは、何かに追われ子供の手を引き走って逃げる北山の姿」



太輔は傍にいなかったってことか?



屋「すぐさま何に追われているか分かった俺らは」



江田ちゃんには子供たちと隠れ部落へ行くように伝え

亮太と2人 慌ててそこへ向かったという。

しかし、屋良さんと亮太がいたところは山の中。

ミツがいるらしい場所は…



五「ダークの村の東の方だって」

塚「どうしてそんな所に」

屋「分からない」



ひたすら飛び続け、着いたときには。



北「太輔、太輔えぇーっ」



血だらけになった太輔を、抱きしめ号泣しているミツの姿があったと。



玉「くっ…ミツ‥」

宮「やっぱりキタミツの目の前でガヤさんは」



屋良さんはその場から離れようとしないミツを説得し



横「内の隠れ部落へと連れて行ったってわけですね」

屋「道すがらポツリポツリと話す、北山の言葉を繋ぎ合わせ」

ニ「ガヤが、2人を庇って命を落としたことが分かった」

屋「コクン」



なるほど。





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