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[現代版] 天使と悪魔

第10章 慟哭の記憶③

・横尾side

五「そこからは玉森の記憶と同じ」

塚「北山に陣痛が起きて」

宮「内くんが傍に付き添っていたら」

玉「奴らが襲って来た」

千「チッ、なんてタイミングなんだったく」

屋「そこには大倉もいた」

宮「えっ」

屋「北山の出産に付き添うため内と一緒に」



そうか、そうだったのか。



玉「生まれた子を連れ出したのは、もしかして」

二「大倉くん!?」

山「俺は、3人を護るため家の前でシールドを張ったそうだよね屋良にぃ」

屋「くっ」

山「屋良…にぃ?」



屋良さんの顔が苦痛に歪む



屋「亮太…」

山「んっ?」

屋「俺はお前を護りたかったんだ」

山「えっ」



何があったっていうんだ?そこで。



屋「北山も大事、内も大倉だって、もちろん生まれて来る子も」

横「屋良さん」

屋「だが俺は俺にとっては亮太が一番、自分の命より大切だった」

千「屋良…にぃ」



それは初めて見る屋良さんの苦痛の表情だった。



屋「後悔していたずっと」



魔王に魂を売ってしまったあの日からか。



屋「心に決めていたはずだった決してもう」



なにが言いたいんです。



屋「なのに、俺は」



亮太を助けたい一心で起こした行動だったと屋良さんは辛そうに話した。



山「屋良にぃ、ごめん屋良にぃーっ」



だから、こいつの前で話したくなかったのか。



屋「お前のせいしゃない、亮太お前は悪くないんだ」



利用するものは何でも利用する、それが魔という生き物。

だからといって、この2人になんの罪がある。

ただ互いを思い苦しみ悩み

それでも一緒に生きたかっただけだろう。



千「許せない絶対」

ニ「俺も」

宮「こんな事って!クッ」

玉「だから、もう繰り返させちゃいけないんだ」

五「防ぐさ今度こそ」

塚「こっちでは好き勝手はさせない」



お前ら―



横「屋良さん頑張りましょう一緒に俺達は仲間なんですから」

山「横尾…くん ヒクッ」

横「亮太もな」

山「うん」

屋「仲間か、いい響きだ」



すべてを話した屋良さんの表情は穏やかさを取り戻し

俺達は改めて互いに協力し助け合う事を約束する。

とき既に夕方―

太陽が沈もうとしていた時だった。

一日の終わりを告げるかのように。





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