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[現代版] 天使と悪魔

第11章 記憶の欠片

・横尾side

俺が集まる場所を屋良さんのマンションにしたのは。

球体をこの眼で確かめた上で屋良さんに。

本当のことを話して貰いたかったからなんだが。

そんな事をしなくても。

屋良さんは、話すつもりでいたことをこのときに知る

つまり―

内や屋良さんが俺らに話したかった事とは、この球体のことだったというわけ。

―が、最期まで思い出していることに関しては。

亮太のこともあり話すつもりはなかったらしい。



屋「玉森に触発されてしまったかな、フッ」



泣きつかれ…

自分の腕の中で眠ってしまっている亮太の頭を優しく撫で屋良さんは言う。



玉「俺に?」

屋「自分から、記憶を取り戻そうとしただけじゃなくみんなの前で毅然とし自ら最期を語ったお前を見て、教えられた気がした」

玉「えっ」

屋「逃げてどうするんだと俺が逃げたら亮太は救われない」

千「屋良にぃ」

屋「後で、こいつが自分の最期を思い出したとき堕ちてしまうかもしれないと、とはいえさすがに話す前は躊躇してしまったが」



亮太が、自分の傍から離れなかったとき覚悟を決めた

そういうことか。



千「大丈夫かな亮太?」

屋「こいつには、お前たち仲間がいる そして俺も」

玉「みんなで支えよう」

塚「そうだね」

五「俺たちの愛があれば」

ニ「きっと、乗り越えられるさ」

宮「大丈夫だよ千さん」

千「うん ニコッ」



これなら―

俺はそんなこいつらを見て前々から。

聞こうと思っていたことを切り出してみる事にする。



横「お前らに気持ちを確かめたい事がある」

宮「ちょっと待って、横尾さん」

横「なに?」



が、宮田に横入りされ。



宮「俺も、横尾さんに聞きたい事がある」

横「何を?」

宮「横尾さんも、最期まで思い出しているんだよね」

五「そうなのか?」

塚「俺たち聞いてないよ」



ふっ、参ったな…

こいつが記憶を取り戻したときぺロっと言ってしまったが。

その内容までは話していなかった。

それをこの場で突っ込まれるとは想定外。

さぁ、どうする。



千「俺、知りたい」

ニ「教えてよ、わったー」

五「どうなんだ横尾」

塚「こうなったら話すしかないんじゃない」

玉「わた」

宮「横尾さん」



お前ら一斉攻撃か。





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