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[現代版] 天使と悪魔

第13章 慟哭の記憶④

・北山side

北「内ならどうする?」

内「どうって」

北「そっ、その、男にキスなんかされたら」

内「そやな相手によりけりかもしれへん」

北「なんだそれ?」

内「だってそうやん、よう考えてみ?この世の中は、男と女しかおらへんのやで」



当たり前じゃん、んなの。



内「けど、誰が決めたわけでもないやろ」

北「何が言いたい」

内「同性とか異性とか関係ないんとちゃう」

北「べっ、別に俺は、そういう事を聞きたいわけじゃねんだわ」

内「そうか?俺にはそんなふうに聞こえたげど、フッ」



そんなふうにって、どんなふうだよ。



内「思いもよらぬ藤ヶ谷の行動に心が反応しどうしていいか分からない」



おっ、俺は…



内「胸がキュンとなって、切なくて堪らない違うか」



ドキン!



内「図星やろ?フッ」

北「なっ、ひとのこと分かってるような口きくんじゃねって」

内「分かるで俺は北山の事が大好きやからな」

北「‥‥っ」

内「藤ヶ谷に負けへんくらいに ニコッ」

北「やっ、やめろってお前まで、んなこと言うの」

内「俺が言いたいのは男とか女とかに拘る必要はないんやないかって事や」

北「えっ」

内「性別やなく人間として惚れてもうたなら常識とか1つの考えに囚われず自分の気持ちに素直になってもええんやないかって」



自分の気持ち…



内「見つめてみ、その反応する心を否定するんやなく受け止めながら」

北「内…」

内「きっとそこに、答えがあるはずや ニコッ」

北「ふっ」



この日からだった。



内「それにしても、あいつ帰って来たら説教せなアカンで」



何かあるたびに俺が、内に話すようになったのは。



内「ったくまだダメや言うたやろに」



こいつはいつも静かな口調で諭すようなことを言い。



内「ホンマ、しょうもない奴や」



俺の心を落ち着かせてくれたっけ。



内「こりゃ横尾にも言って監視してもらうしかないわな」



迷うことなく真っ直ぐ道を進んで行けるよう。



内「世話かけよって」



前世から繋がっていた友情と絆で支えてくれながら。





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