テキストサイズ

[現代版] 天使と悪魔

第14章 慟哭の記憶⑤

・横尾side

とうとう塚ちゃんの口から明かされたその名前。

そうか、やっぱり。

ずっと気になっていた宮田から、最期のときの様子を聞いて以来もしかしてと。



塚「あのとき」



塚ちゃんは、自分の感情をグッと抑え込むかのように

唇を噛みしめながら言葉を吐く。



塚「敵の本体が隠れているらしき木のうしろへ行った俺は」



その姿を見て、絶句したという。



塚「確かにそこにいたのはトッツーだった、けど」



自分は動揺し、それを突かれ無防備な状態でやられてしまったが。

今、思うと―



塚「あいつは違う」

宮「違うって何が?」

塚「トッツーだけど、トッツーじゃない」

屋「どういう意味だ?」

横「憑依されていた、そう言いたいんだろ」

塚「あぁ、クッ」

藤「どうして一体なんに」

屋「そいつが何者なのか、知っているのは」

山「なんでそんな事になってしまったのか知っているのも」

五「郁人、そして」

ニ「憑かれてしまった本人のみってわけ」

塚「そういう事になるね」

千「何だよそれ?また利用されてしまってたってことじゃん」



そうだな、クッ!



藤「冗談じゃない」

横「太輔」

藤「だとしたら、その目的は1人しかいないだろ」

玉「…ミツ‥でしょ」

ニ「でも、ミツは」

山「隠れ部落で内くんと」

屋「だから結局は手に入れる事が出来なかったはず」

宮「それに、その為だけに天使と悪魔の両方の一族を襲ったっていうのはちょっと疑問を感じる」

横「いやその答えなら簡単さ」

ニ「わったーは、分かっているの」

屋「俺達一族が奴にとって邪魔だったから、そういうことか」

横「えぇ」





ストーリーメニュー

TOPTOPへ