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[現代版] 天使と悪魔

第1章 プロローグ

・横尾side

2014年の夏、デビューして3年が経ったこの年。

俺達は、最速で4大ドームツアーという機会を与えられ波に乗っていた。

慣れ親しんだ仲間たち自分を取り巻く恵まれた環境になんの疑問も持たず。

がむしゃらに、前へと突き進み。

そんなとき、いったい誰が予測していただろう。

あんな体験をする事になろうとは。

けれど、それは確かに自分たちの過去だったんだ。

前世という―



藤「もしもし、わた」

横「どうしたのこんな時間に?」



それは、ある日の夜のこと



藤「今度の水曜つき合って欲しい所があるんだ」



始まりは、一本の電話から



横「どこへ行きたいってわけ」

藤「それは、会ってからのお楽しみ」



当日、待ち合わせした場所へ行くと。



藤「さすが時間より早い」



珍しく俺より先に来ていて



横「なにそんなに張り切ってるのかな」

藤「んふふっ」



太輔は意味深に笑い、でも嬉しそうで。



横「行き先は」

藤「有楽町」

横「はっ?」



それから2人してそこへと向かい。



藤「確かここら辺だと思ったんだけど」

横「もしもーし太輔さん、あっちへ行くと銀座ですよ」

藤「あっ、思い出した」



全く俺の話しを聞いてないし…

大通りから脇へそれ路地裏に入ったら。

ちょっと、レトロな感じの場所があり。

そこに―



藤「あった、ほらあそこ」



ポツンと佇む小さな店。



横「行きたかった所って」

藤「たまたま、偶然なんだけどウロついてたら見つけてさ」



なんの店だろう怪しい感じがする。

だが太輔は、一向に気にもせずどんどん進んで行き。

チャリンチャリン―



店主「いらっしゃいませ」

藤「すみません先日お願いしておいたもの取っといてくれてますよね」

店「赤き炎の結晶のことですか」

藤「それ見せてくれる」



んっ?



店「はい」

藤「どう?」

横「どうって」

藤「北山の誕生日プレゼントに ニコッ」



お前、だから。



横「随分と赤い」

藤「血が染み込んでるんだってさ」

横「はっ?」

店「伝説ですから、心配はいりません」

横「それってどんな」

店「もう二千年以上も前の話しなんですが」



まだ人間が存在していなかった頃の―





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