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[現代版] 天使と悪魔

第20章 未知の空間

・北山side

北「太輔えぇーっ」



叫んだと同時に目が覚めたそこには。

心配そうに俺のことを覗き込む太輔の顔があったんだ



藤「どうした?ひろ」

北「たっ、太輔、傍に」

藤「いるだろ、ちゃんと」



ギュッ!



藤「怖い夢でも見たか」

北「太輔、たいっ…」



チュッ、口づけが切なく心を震わす。

もっと、もっと…



北「んんっ」



頼む、俺の不安を打ち消すほど激しく。

背中へ手を回し抱きつき。

貪るように、ディープキスを交わし。

んだが―



「いいのか、それで?後悔することになるぞ」



はっ、ドンッ!



藤「ひろ?」

北「悪い」



脳裏に甦って来た言葉で、思わず突き放してしまってよ。



藤「いや、それよりお前のネックレスな」

北「独りに…してくんね」

藤「えっ?」

北「その…まだ休んでいたいから」

藤「あ、でも」

北「大丈夫だって」

藤「じゃ隣にいるから何かあったら呼んでくれ」

北「‥‥‥」



ガチャ、バタン―

どうしたらいい?どうすればあいつを巻き込まないで済む。

親父、教えてくれ。

押し寄せて来た慟哭は前世の記憶と共に心を締めつけ苦しめる。



神「乗り越えるのだ宏光」



んだから、どうやってって聞いてるだろが。



神「答えは自分で見つけるしかない」



俺は、俺は…クッ!



北「二度と、あいつを失いたくはねんだぁー」



愛するという気持ちは時として苦しみの中へ身を置くことにも繋がる。

そんなこと、前世において嫌ってほど分かってたはずなのに。

このときの俺はどうしようもないくらい。

散々に乱れてしまう自分の気持ちを抑える事ができず

ただ、翻弄されているだけだったんだ。

愛している―

その想いが、強ければ強いほど切なく心を震わし。





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