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[現代版] 天使と悪魔

第23章 妖魔の企て

・横尾side

一向に泣きやまない安井に

俺たちは成す術もなく困り果てる。

分かったことは…

郁祥がさらわれたとき一緒に祐惺がいたってこと。

しかし、あの年齢。

怖くて誰にも言えずにいたんだろう。

もしかしたら奴らに言うなと脅されていたのかもしれない。

そのうち―

恐怖から、無意識に記憶を奥に封じ込めてしまったと考えれば納得がいく。

と、そのときだ。



松島「えっ、嘘!?」

神宮寺「今まで何処にいたんです」

岩橋「マズいですって中へ入ったら」



廊下から、そんな声がし。



玉「なっ」

ニ「えぇーっ!?」

千「どっ、どっ、どっ」



中島健人、郁祥!



安井「ううっ、あっ…ヒクッ‥ふえっ…うあっ」



いきなり入って来たもんだから俺たち全員固まってしまって。

だが―

そんな雰囲気に物怖じすることなく真っ直ぐ。

安井のところへ行くと後ろからギュッと抱きしめ。



中島「祐惺、泣くな泣かなくていいから、ニコッ」

安井「郁…祥‥ふみ ヒクッ」



この2人、まさか。



安井「グスン、ふえっ」

中島「もう、いいんだよ」



前世で―



安井「だっ…て‥だっ…」

中島「祐惺は何も悪くない悪いのは」



汚い手を使った妖魔。



中島「大好きだよ祐惺」

安井「うっわあぁーっ」



が、益々号泣する安井。



中島「泣いちゃダメ笑ってねっ?その方が大好きだからさ」

安井「ほん…とに?ヒクッ」

中島「うん ニコッ」

安井「僕…も‥大…好き」

中島「んふふっ」



―と、あれほど泣いていた安井がピタッと泣きやみ。



松島「凄いね」

ニ「聡?」

神宮寺「心は繋がっているんだ」

塚「琉生?」

井上「想い合う気持ちは、変わらない」

薮「それって、まさか」

岩橋「2人は、前世で恋人同士だったんです」

一同「えぇーっ」



やっぱり。



藤「どっ、どっちが、そのどっちだ?」



太輔、言葉がおかしくなっているぞ クスッ!



佐藤「お2人で言えば安井くんが北山くんで、郁祥が藤ヶ谷くんになります」

千「勝利!?」

菊池「遅くなりましたぁ」

宮「わっ、風磨もいるじゃん!」



お前ら現れるの唐突すぎ。





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