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・戸塚side

寂しそうに去って行く後ろ姿を。

止めることも出来ない歯痒さに顔を歪めていると。



妖「ふっ、これでよし奴が連中を分散してくれれば、後は ｸｸｸｯ」



お前は何者、どうしてこんな事をする。



妖「我と話したいか、なら術を解いてやろ」



とたん動くようになる身体



戸「河合いぃーっ」

妖「無駄だ、お前がそこへ行くことは出来ぬ」

戸「はっ、放せ！」



でも結局は、こいつに捕まっていて追いかけることも出来ず。



妖「さてそろそろ頃合いだろ、ﾌｯ」

戸「何がだ、お前は一体」

妖「昔のお主だったなら、我のよきパートナーとなったものを人間として転生してしまったその身ではただの器でしかない」



言っている事が全く分からない。



妖「欲しいのは、その潜在能力！幻獣の化身としてのな」

戸「‥‥っ」

妖「今こそ、その中に流れている血を我の血に変えてやろう」

戸「変えるだって」

妖「それにより、我はその身体の中へと入り後は」



その瞬間、自分の目の前で起きたことに俺は我が眼を疑ってしまう。



戸「うっわあぁーっ」



“ｸｸｸｯ、これで分かったであろう自分がなんの為に生まれて来たのかが”



戸「かっ、身体が、熱い」



“そして我は、あやつ北山宏光をモノにする事が出来るのだ”



北山を!?



戸「なんだよこれ」



こいつの血で真っ赤に染まってく。



戸「うわあぁーｶﾞｸﾝ」



“気を失ったか、まぁいい目を覚ましたとき自分の身に起きたことは忘れ去ってしまっているだろうから”



妖「後はチャンスを伺い」



“ふふふっ、ぶわっはっはっは”

それから本当の前世の記憶を取り戻した瞬間。

俺は…

自分の身体の中で、確かに蠢くそいつの存在に怯える事となる。

北山、俺に近づくんじゃない頼む離れてくれ。

あの時と同じに―

俺は、お前を堕としたくはないんだよ。

北山あぁーっ

まさに今、前世で起きた事が繰り返されようとしていた。

この怪しい空間の中で再び自分の手により。





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