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[現代版] 天使と悪魔

第27章 幻獣の少女①

・玉森side

宮「なんだか大変なことになっちゃったね」

玉「うん」



俺と宮田は取り合えず。

部屋で待機しているように言われ戻って来る。

それから―



宮「少し寝よ起きたら捜索が始まると思うし」

玉「宮田」

宮「なに?」

玉「‥‥‥」

宮「どうかしたの?」

玉「なんでも…ない」



が、こんな空気の中で言えるわけもなく。

タイミング逃しちゃったな

この空間に来てミツのことでバタバタし続けて郁人とトッツー。

そして、幻獣の化身と。

次から次へいろんなことが起き。

どうしよ…

神さまには急かされたけどこんな状況じゃ無理だって



玉「はぁー」



思わず大きな溜め息をつく

しかしこいつは呑気だな、人の気も知らないでさ。

サッさと寝ている姿を見ていたら腹が立ってくるよ。

頭でも冷やしに行くか。

俺は寝ている宮田を起こさないようソッと部屋を出た

外は変わらぬ風景…

車も通らなければ音も聞こえない。

まるで無の世界―

そこで、ただボーッとしていたんだ。

そのとき。



屋「こんな所で独り、何をしているんだ?」

玉「屋良さん」



びっくりしたな!?もぉー



屋「あまり、賛成できない行動だぞ」

玉「ごめんなさい」



すると何かを察知したのか



屋「決心したのなら躊躇せずに飛び込めばいい」

玉「えっ」

屋「あいつなら受け止めてくれる、そうだろ?ニコッ」



屋良さんは突然そんなことを言い出し。



屋「この空間にいることを言い訳にするんじゃない」

玉「俺は」

屋「前に進めるか進めないかは自分次第、違うか?」

玉「‥‥っ」



そうかもしれないね。



屋「分かったみたいだな」

玉「有り難うございます」

屋「ふっ、頑張れ」

玉「はい」



タタタッ!

きっと、屋良さんは能力を使って俺達を見守ってくれていたんだろう

それで…

弱気になっている俺にカツを入れてくれたんだ。

そうに違いない。

改めて、自分の周囲にいる仲間たちに感謝の気持ちが込み上げてくる。

その上で再度、決心を固めた。

目を覚ましたら、行動に移そうと。

それから部屋へと戻り宮田の腕の中へ身を沈める。

心臓をドキドキさせながら





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