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[現代版] 天使と悪魔

第27章 幻獣の少女①

・藤ヶ谷side

沙耶「私はもう化身としての存在価値がなかったから」



それからは、地獄だったという。

幻獣たちは暴走し。



沙耶「それを止めることも出来ず、クッ」



それでも、トッツーの事が心配だった彼女は。



沙耶「森を抜け出し、その気を頼りに貴方を見つけ」



しかし目にした光景はあまりにも残酷で。



沙耶「この世界は、もう」



終わる―

そう思ってしまったほどに打ちのめされてしまい。



沙耶「あなたを産んだことけして後悔などしていないわ、でも」



辛い思いをさせてしまった



沙耶「ごめんなさい」

戸「ママン」



それは、トッツーが郁祥に対し抱いていた思いと同じだった。

何も出来ない自分―

彼女の心の中には絶望感がひしひしと沸いてきていたに違いない。

滝の奥の洞窟で、ただ独り

それから、どのくらい時が経ったのだろう。



沙耶「とつぜん外から叫び声が聞こえたんです」



彼女はハッとする。



沙耶「あれは、祥太の気」



ダダッ!



横「見ていたのか」

五「横尾がトッツーに刺されるのを」



コクンと頷く。



沙耶「とにかく助けなければ、そう思い」

横「あの声が」

五「沙耶お前だったとは」



これも運命なのか。

わたの傷の手当てをして、数日後。

誰かが、やって来る気配を感じ彼女が外へ出てみると

そこには…



屋「五関がいたんだな」

沙耶「はい」

五「‥‥っ」

沙耶「その方に託すしか、彼を助ける方法が考えつかなかったので」



こんなことがなければ絶対に巡り会うことなどなかったはずの2人が。

現世で―

こうしてまた出逢い惹かれ恋をした。



沙耶「私ね晃一に会った時なんだか懐かしい感じがしたの、フッ」



今ならそれが何故だか分かる。

彼女は、弱々しく笑う。

取り合えずここまでは繋がった。

後は―

その先、彼女が命を落とすまで話しは続けられる。

だが、そこには。

“幻獣少女の角、その恨みと憎しみ汚れを浄化すれば魔に打ち勝つ武器となる、ゆえ親子の絆復活せし"

希望の光りが隠されていたんだ。

その伝説と共に―





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