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偽りの向こう側

第14章 ライン四日目~昼~

その年甲斐もない風貌で化粧品を買いに行くと
美容部員がメイクをしてくれた。

眉は少し太めで頬に薄いピンク色のチークを
あしらいチークより濃いめのリップ。

「お客様の目元はあまり手を加えない方が
いいかと思いますよ」
「そうですか?」
「瞳が澄んでいて綺麗なのでその雰囲気を
壊したくないです」

鏡越しの私に自画自賛するほどの出来映えだった。

いつも私がしている化粧とは別物。

ここまで変化しているのにもかかわらず
塗りたくっている様子も無い。

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