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偽りの向こう側

第19章 嵐(ライン六日目)

義母の大泣きする声が聞こえてきた。

それでも俺はスマホの電源を入れずにいた。

今すぐにでも「母さんには俺がいるだろ」と
強く抱きしめたい。

ミナミの仮面を被った義母が欲しい。

嵐ではなく俺を見てほしい。

義母が嵐を忘れてくれるまで俺は待つよ。

頼むよ母さん……

嵐なんて忘れてくれよ……

頼むからさ……

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