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偽りの向こう側

第19章 嵐(ライン六日目)

翌朝リビングの物音のせいで俺は目覚めた。

リビングでは義母が大きなバッグに
身の回りの物を詰め込んでいた。

義母は俺の気配に気付いた。

「あ……起こしちゃったね。ごめん」

義母の目は充血し腫れていた。

「朝っぱらから何やってんだよ」
「出ていくことにした」

急激に頭に血がのぼる。

「何言ってんだよ」
「瑛士とは暮らせない」

身体中が否応なしに震える。

「だからって行くあてなんてねーだろ」
「嵐くんのところに行く」

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