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偽りの向こう側

第7章 嵐(ライン二日目)

「母さん」

返事がない。

「母さん!」
「……あ!ごめん!なに?」
「行儀悪いぞ。食事中だろ」

義母はシュンと肩を落とすとスマホを
エプロンのポケットに収めた。

義母は誰かからの連絡を待っている様子だった。

それも食事に集中出来ないほどの相手だ。

父親が亡くなってからの義母は俺の知っている
限りほとんど外に出歩いてはいない。

いつの間にそんな相手に出会ったのだろう。

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