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偽りの向こう側

第9章 嵐(ライン三日目)

「俺もう20歳だぜ。子供じゃないんだから」
「瑛士はいつまでも私の子供よ。あーんして」

口を開けると人肌のお粥が滑るように入ってきた。

義母は再びレンゲでお粥をすくい上げ
フーフーする。

義母の口元を見る。

ピンク色のグロスを塗っている。

長い黒髪は束ねることなく無造作に
なってはいるものの髪をかきあげる仕草を
大人の色気と感じた。

それは義母に対して初めて女を感じた瞬間だった。

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