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(旧)短編☆中編小説集

第11章 運命の愛

・北山side

もしかしたら、俺は自分の気持ちに気づいてしまったのかもしれない。



藤「お腹空いてないか北山そろそろ飯どきだし」



あいつに服を剥ぎ取られ、触れられた瞬間。



藤「なんなら部屋へ運んで貰う?」



やめろ、お前になんか触られたくない。

藤ヶ谷だけだ俺にそういうことしていいのは。



藤「北山?」



そう思う自分がいてよ



藤「そうだそうしよ、なっいま連絡するから」



ギュッ!

とたん傍から離れようとするこいつの腕を咄嗟に掴んでいた。



藤「どうした?」



そして背中を向け絞り出すように吐いた言葉は。



北「こっ…ここに‥いろっ…て」

藤「いるだろ、フッ」

北「じゃなく」

藤「んっ?」

北「…布団の‥中…」

藤「えっ」



だがそれを聞き言葉を詰まらせているのが分かり。

あはっ、なに言ってるんだよ俺は。

驚くに決まってるじゃん。

んなの自分が一番よく分かっていたはずなのに。

バッカじゃね…

気まずい空気を感じ切ない気持ちになってしまう。

マジ俺、こいつが好きなんだな。いつから?

すると―



藤「いいのか?そんなことを言って」



藤ヶ谷は思ってもみなかったことを言い出し



藤「どうなっても知らないぞ」



どういう意味?



藤「じゃ遠慮なく」



ふわっ、その瞬間。

自分の身体が腕の中へ包み込まれたのを感じ。



北「あったけ」

藤「お前もな、フッ」

北「覚えていたんだ?あの日のこと」

藤「忘れるわけないし」

北「なんで?」

藤「言ったはずだ、ずっと見ていたってお前その意味が分かってなかったんだ」



意味?あの時お前が言ってた言葉か。



藤「俺は自分が情けなかったんだよ、どうして北山より年下に生まれて来たんだろう何でもっと強くなれないんだって」

北「んっ?」

藤「お前を護りたかった」

北「助けてくれたじゃん」

藤「あれは偶然が重なっただけさ、フッ」

北「今だって」

藤「当たり前だろ助けられなかったらなんの為に傍にいる」



ギュッ!

そう言うと、いきなり強く抱きしめられる。





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