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(旧)短編☆中編小説集

第18章 ペット白書

・藤ヶ谷side

北「太輔、太輔えぇーっ、こっちこっちぃ」



ふっ、そう大きな声で呼ぶな。

ちゃんと聞こえてるからさ

毎日の日課となった宏光との散歩、日溜まりの中。



北「あっ、蝶々だ」



ぴょーんぴょーんと、なんにでも飛びつきたがるのはやはり猫科の動物だからか



宮「ガヤさん、買って来たよ」

藤「おっThank You、みや」

宮「キタミツ、元気だね」

藤「あぁ」

宮「そうだ聞いた横尾さんのこと?」

藤「子供が生まれたんだろ確か名前は」

宮「良亮」

藤「そう」

宮「ガヤさんは作らないのキタミツ2世を」

藤「無理だし、フッ」



つうか、あいつは俺のもの

今さら誰にもやるつもりはない。



宮「やっぱりそうかホワイトタイガーの子供も、見てみたかったんだけどな」

藤「俺は宏光さえいてくれればそれでいいんだよ」



ギシッ、ギシッ、ギシッ!



北「あっ、ああっ、太輔、あぁーっ」



夜になればふたり、こうして愛し合い。



北「んっ、んんんっ、だめだイッちまう」



こんなにも可愛い宏光が、雌に盛るだなんて許せるわけがないし。

だいいち見たくはない…



横「それって妬きもちか?いや違うな独占欲 クスッ」



なんとでも言え。



北「太輔は、嫁さんを貰わないのか?」

藤「貰ってもいいの?」

北「やだっ」

藤「ふっ、心配しなくても俺は宏光ひと筋さ」

北「でへっ」



これから先、何年たっても変わらず一緒にいよう。

そう言ったら、嬉しそうに頷いた。

これが俺の選んだ愛―

これさえあれば他の愛などいりはしないと。

俺には宏光が全てだから。





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