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(旧)短編☆中編小説集

第20章 男と女の境界線

・北山side

歳月は流れセレネの城内では今日も賑やかな声が響き渡っていた。



玉「王子、王子いぃ」

ニ「タマ、姫を知らない」

玉「えっ、まさかまた」

ニ「2人で抜け出して」

玉「‥‥っ」



ダダダッ―



横「廊下は走るんじゃない」

ニ「今は、それどころじゃねんだ」

玉「急いでんの」



ダダダダッ―



横「ふっ、大変だなぁあいつらも」



第一子:祥姫
第二子:良亮王子



タマとニカがそういう関係だと知った俺と藤ヶ谷は。

2人に自分たちの子の世話係りを頼んだ。

ふたなりに子供は産めないから。

が、かなり手を焼いているみたいでよ。



横「いいのか?放っておいて」

藤「どうせ宮田の店にでも行ってるんだろ」

北「あの2人はあれで楽しんでるんだからいいんだわ」

横「お前ら放任主義もほどほどにしないと」

藤「分かってるって」

北「ただ縛りたくないだけさ」



自分らのときみたいに。

自由に夢を見、恋をさせてやりたい。

そう思い…



藤「なぁ久しぶりにあそこへ行こうか?」

北「構わないけど、子供はもう勘弁」

藤「なんで?」

北「いてぇもん」

藤「外へ出すの面倒くせ」

北「だったらしない」

藤「うわっ、うそ嘘」

北「クスッ」



あの林の奥に、狼が出るという噂あれは真っ赤な嘘だと。

後日、藤ヶ谷から聞いた。

俺たちが入った温泉、それを隠すためだったらしい。





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