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(旧)短編☆中編小説集

第20章 男と女の境界線

玉「嘘じゃないよ」

北「へっ」

ニ「ってかこの数日間どれだけやりまくってたんだ?この2人」

玉「ニカ!」

ニ「うわっち、シュン」



あれいつの間にニカはタマの尻に敷かれるようになったんだろ?



北「マジでおまえ王子なん」

藤「そう言ってるじゃん」

北「どこの」

藤「はっ?」



こいつ、もしかして天然?



北「らしくねぇ」

藤「そういう北山こそ」

北「なんか文句ある」

藤「姫ってのはさこうおしとやかでお人形さんみたいに綺麗でよ」

北「だったらそういった女と一緒になりゃいいわ」

藤「冗談じゃね、つまらん」

北「面白いから俺がいいの」

藤「あぁ、俺はお前がいい惚れちまったんだ!ぎゃあぎゃあ言ってないでサッさと俺の嫁になりやがれ」



シーン!

ヤバい、こいつ黙っちまった。



横「痴話喧嘩は終わり」

藤「わた」

玉「ミツ、返事は」

北「なってやるわ、それでいいんだろ」

藤「ふっ、北山」

ニ「やったねタマ」

玉「ガヤ」

藤「なに」

玉「ミツを泣かせたら許さないからな」

千「許さないぞ」

宮「お仕置きするから覚悟しといて」

藤「ちょ、なんだよお前ら全員で北山の味方して」

横「当然だろ」

藤「えぇーっ」

一同「あはははっ」



しかしそんな俺達を北山は嬉しそうに見つめていた。

まるで自分の居場所を見つけ喜んでいるかのように。

数ヶ月後、俺達は予定より早く式を挙げる事となる。

何故ならば…



北「うっ…うぇ‥クッ」

藤「大丈夫か」

北「んなわけ…ねぇだろ‥ハァハァ…うっ」



お腹の中に芽生えた小さな命。

それが確かな愛の結晶として育っていたから。



王「今日の良き日、二重の喜びをアストリアとセレネ2つの国の永遠の平和に祈りを込め皆の者ともに祝おうではないか」



“わあぁーっ”



玉「おめでとうミツ」

千「ガヤさん」

ニ「ガヤ」

宮「キタミツ、綺麗だよ」

横「これでやっと肩の荷が下ろせる」



街中でのパレード。

沿道にいる人々の中にいる仲間たち。

ありがと、お前らとはこれからもずっと友達だ。



北「ふっ」

藤「ニコッ」



見つめ合う瞳が同じ想いを伝え合い。

俺と北山の共に歩む新たな人生はこうして幕を開ける

大勢の人々の祝福を受け―




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