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(旧)短編☆中編小説集

第4章 3人恋模様

・藤ヶ谷side

初恋っていくつの時にした幼稚園?それとも小学生。



北「待ってくれよ太輔」



俺の場合は小学生のとき。



藤「ったく相変わらずドン臭いな早くしないと置いてくぞ」



で、相手は人によって様々だったりもするが。

大体が先生かクラスメートであることが多い。



北「だってさ、そこで子猫が捨てられていたんだ可哀相じゃん」



そして、勿論それは異性に対し淡い想いを抱くことをいう。



藤「あのな、いちいちそんなふうに思っていたらキリないし」



だが、自分の場合は違っていた。



北「でも放ってはおけないもん」

藤「今、宏光の家になん匹の猫がいる?」

北「5匹 ニコッ」

藤「犬は?」

北「3匹、それとぉー」

藤「あぁーもういい、ミニ動物園でもやる気か」



北山宏光―



北「ちっ、冷てぇな」

藤「どうとでも言え」



こいつがそう。



北「なっ、今度の土曜日に俺んちへ遊びに来ない」



人なつっこくて甘え上手。



藤「どうせ親がいないから独りじゃ寂しいし、ペットの面倒を見るのも大変だ、そうだ太輔に手伝って貰おうってな感じだろ」



そのうえ優しくて無邪気。



北「せいかーい、さっすが藤ヶ谷さん分かってるぅ、ガハハハッ」



誰からも好かれる人気者。



北「じゃ宜しく」

藤「はいはぃ、フッ」



しかし―



河「おはよーお2人さん、相変わらず仲いいねぇ」

北「ふっ、幼馴染みだからさ」



こいつは全く俺の気持ちに気づいてないんだ。



河「それだけ ニヤッ」

北「他に何があるっていうんだよ?」

河「クスッ」

藤「郁人、サッさと教室の中へ入らないと遅刻してしまうぞ、キッ」

河「そう怖い顔をしなさんな、フッ」



“取ったりしねぇって”

―で、怪しい笑みを浮かべ耳元でそう囁き去って行ったこの男は。

同じクラスの河合郁人ちなみに…

こいつとは、苦い思い出がある。



藤「ほら、お前も」



あれは、中学1年のとき。

眠っている隙を狙い宏光を襲おうとしてよ。



藤「二度と、こんなことをしたら許さないんだからな分かったか」



ボコボコに殴った事があったっけ。





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