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(旧)短編☆中編小説集

第5章 掛け替えのない

・藤ヶ谷side

今度の連休なんだけど一緒に温泉へ行かない?

ベタな誘い文句…

いま俺は、車で北山のマンションに向かっている。



北「藤ヶ谷と俺の2人っきりで?」

藤「いや?」

北「うんにゃ別に構わないけど、たまにはいいんじゃねそういうのも」

藤「あぁ ハハッ」



ブロロロ―

なくてはならない存在なんだと、あいつは俺のことをそう言った。

嬉しい反面…

どういう意味でと思わずにはいられない自分がいる。



北「よっしゃあ、そんじゃ帰るべ」

宮「キタミツもちろんあそこへ寄ってくだろ」

北「あたりきしゃりき」

二「俺も行きたい」

北「おう宮田・ニカ、俺について来い」



プラベでも仲の良い3人。



玉「どうせ、またサウナかなんかでしょ」

横「健永、俺達はメシでも食いに行くか」

千「いいねぇ」

横「太輔お前はどうする」

藤「えっ…ぁ‥」



入り込めているようで入れてない自分。

ずっと悩んでいた。

行動を起こすか起こさずにおくべきか?

そんな俺の背中を押してくれたのが。

某雑誌インタビューでの、あの北山の言葉だったんだ

“藤ヶ谷の存在んーなくてはならない存在ですかね”

ピンポーン!



藤「北山おはよ」

北「待って今、開けるわ」



ガチャ!



北「おはよーっす」

藤「準備はでき、んっなんだその荷物」

北「だって温泉だべ」

藤「あぁ」

北「持って帰ろうかと思ってよ、んふふっ」

藤「何を?」

北「湯、ニッ」



グイッ!



北「ちょ放せ藤ヶ谷」

藤「さっさと車に乗れ行くぞ」

北「俺のペットボトルちゃんたち置いてきぼりにしてごめんなぁー」



アホか、ハァ!

玄関にあったのはビニール袋に入れてあるペットボトルの山。

それも2リットルの…



北「ちえっ、いい考えだと思ったんだけどな」



時々、北山は思いもかけない行動を起こす。

まっ、それが可愛いんだが



藤「で、どうしようとしてたわけ」

北「んっ?いや藤ヶ谷が」



“すっごいとこ見つけてさそれぞれ部屋ごとに専用の露天風呂が付いててよ”



北「なーんて言うもんだからちゃちゃっと汲んでお持ち帰りなんちゃって」

藤「だからそれを」

北「タマちゃんと一緒に、入ろうかなと」



あっそ、ハァ!





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