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枕営業~遥香はセックスを武器にした~

第26章 本條斗真の事情⑤

「自分で言うのもなんだけど突然だったからな。
ゆっくり考えるよ」
「そうはお見受け出来ませんでしたが」
「どういうことだ?」

尾崎は俺を諭すように言葉を続ける。

「自分が社長に仕えるようになり自分を信頼
してくださってからは本條のノウハウを全て
教えてくださいました」
「それは当然だろ」

尾崎のことは信頼していたし有能だった。

「ですから社長の辞任は突然ではありません。
社長は本條から退きたいという想いが
あったのです。無意識のうちに。そうでなければ
親族ではない自分にここまでのことをするはずが
ありません」

背負っている物があまりにも大きすぎた。

その重圧に潰されてしまうのではないかと
怯え苦しんでいた。

社長……いや、それは専務に就任した頃から。

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